Fender Super-Sonic  22 Combo
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Fender Super-Sonic 22 Combo

Super-Sonic 22 Combo, Tube Combo Guitar Amp from Fender in the Super-Sonic series.

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Fender『Super-Sonic 22 Combo』詳細レビュー

気分はスーパーソニック
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2006 年、フェンダーから「Super-Sonic」と名付けられた 60 ワットのアンプがヘッドとコンボの両バージョンで発表された。そして 2010 年、このアンプの特徴を受け継いだ 22 ワット仕様のコンボが登場した。非常にフェンダー的なクリーンサウンドに加えて、サチュレートしたハイゲイントーンまでが楽しめるアンプだ。今日はこの『Super-Sonic Combo 22』を詳しく見ていくことにしよう。

 

 

Fender Super-Sonic 22 Combo

フェンダーのアンプはその特徴的なクリーンサウンドで良く知られている。『Vibrolux』のようなモデルではそのブライトさが、『Bassman』のようなモデルではそのウォームさとフルサウンドがしばしば引き合いに出される。しかし、激しく歪んだサウンドとなると話は別だ。ギタリストは、歪みチャンネルのないアンプを歪ませるためにオーバードライブもしくはディストーションペダルを使わざるを得ない状況に陥る。そのため、我々は無理にそれ以上を望むことなく、フェンダーのクリーンサウンドを崇拝し、そして歪みを得るために喜んでエフェクトペダルを使うわけだ。しかしフェンダーの目論みは違った。この『Super-Sonic』シリーズで、フェンダーアンプ特有のクリーンサウンドに加え、逞しいサウンドを好むプレイヤーをも満足させるに足る激しいオーバードライブサウンドの達成を目指したのだ。

 

 

昨今は比較的低出力のチューブアンプが好まれているが、ここでフェンダーは先行モデルの 60 ワットよりやや大人しめのコンボモデルで勝負に出た。この『Super-Sonic Combo 22』は文字通り 22 ワット仕様で、ブラックとブロンド(クリーム)の 2 フィニッシュを用意。今回のレビュー用として編集部にはブラックモデルが届けられたが、クリーム色のノブと素晴らしいカラーマッチングをみせるブロンドフィニッシュが届いていたらなぁと小一時間・・・。だが、仕方ない。ブラックバージョンもこれはこれで悪くはない・・・。

 

 

アンプの取り出し

 

Fender Super-Sonic 22 Combo

このコンボは 1.9cm 厚のバーチ/メイプル・プライウッド製キャビネットで、外形寸法は 21.6 x 61 x 44.1 cm、重量は 18.2 kg となかなかの大きさだ。外観は非常に古典的で、金属製のスクリプトロゴをフロントに配し、アイボリー色のラジオノブを装備。スイッチ部には大きな赤のパイロットランプが備えられている。スピーカー前面を覆うグリルクロスは、ブロンドモデルでは黒色が、ブラックモデルではグレー色が張られている。アンプ上面部の取っ手は「Dog Bone」ハンドルとなっており、プラスチック製ではあるが見た目はとても頑丈そうだ。キャビネット底面部の四隅にはしっかりと金属補強がなされている。ツアーに持ち出しても耐えうる堅牢さだし、フィニッシュの質は文句なしだ。梱包には取扱説明書に加えて、アンプ内部のダイアグラムが内包されていた。さらになんと、アンプを埃から守ってくれるナイロンカバーまでが付属していた。これは最高だ!!

 

アンプの内部だが、プリアンプ部には 3 本の 12AX7 管と 2 本の 12AT7 管が使用されており、パワーアンプ部には 2 本の 6V6 管が使われている。『Deluxe Reverb』をモデルにした構造だ。これらの真空管は、12 インチ (31cm) の Eminence 製 Ligtning Bolt スピーカーのちょうど上に位置しており、アンプ背面部のゲートカバーでしっかりと保護されている。

 

それでは接続端子類とツマミ類を見ていこう。

 

調整、そしてプラグイン

Fender Super-Sonic 22 Combo

 

 

まずは端子類から。アンプ前面部にはギター接続用の入力端子があり、背面部には電源用ソケット、On/Off スイッチ、スタンバイスイッチ、そして 2 つのスピーカーアウトが装備されている。スピーカーアウトは、内部スピーカー用と外部スピーカー用がパラレルで結線されており、最低インピーダンスは 8 オームとなっている。フットスイッチ端子もみられる。このフットスイッチだが、金属製で頑丈な上、4 つのスイッチで構成された文句の付けようのない高い完成度を誇っている。スイッチの一つはチャンネル切替用、一つはクリーンチャンネルのブースト用、一つはリバーブ切替用、そして一つはエフェクトループ切替用だ。エフェクトループ用のセンド/リターン端子は、アンプ背面部の右端に用意されている。

 

 

 

 

 

Fender Super-Sonic 22 Combo

サウンド調整用のツマミ類は、すべてアンプのフロントパネルにまとめられている。左手にまず「vintage」と呼ばれるチャンネルに対応したツマミ類が並ぶ。小さな四角のスイッチを押すと、『Deluxe Reverb』をベースとしたクリーンサウンドを奏でる「normal」チャンネルと、ミドルをブーストしたパワフルなクランチサウンドを奏でる「fat」モードの切替が行える。ツマミは合わせて三つ。ボリュームノブと、ベースおよびトレブルのシンプルな 2 バンド EQ ノブだ。ノブ数は決して多くはないが、「normal」と「fat」の切替スイッチがあることを考慮すればこれで十分事足りるのだろう。

 

一方、「burn」チャンネルではノブ数が若干増え、なんとゲインコントローラーが二つ備えられている。「ゲイン 1」ではクランチからサチュレートサウンドまでが達成できる一方、「ゲイン 2」ではコンプの加わった芯の太いサウンドが得られる。EQ もロー/ミディアム/シャープの 3 バンド仕様となっており、もちろん全体の音量調節用にボリュームノブも装備されている。そして最後に Accutronics 製のロングスプリングリバーブを調節するためのノブだ。

 

それではこの辺でアンプを本格的に鳴らしてみよう。

 

試奏

Fender Super-Sonic 22 Combo

アンプの試奏には、ダンカン製の「P-Rail」を搭載したフェンダーのテレキャスター・デラックス、TV Jones 製「Magna'Tron」ピックアップを搭載したグレッチの G5139、そしてギブソンのレスポール・スタジオを使用した。音作りは Two Notes 社製の『Torpedo VB-101』スピーカーシミュレータを通して行っている。

 

まずは「vintage」チャンネルを「normal」モードで鳴らしてみた。グレッチをネックピックアップで、またテレキャスターのピックアップを「rail」に切替えて弾いてみると、ベースとトレブルの効いた芯のある、非常にバランスの取れたサウンドが達成できた。シンプルだがそれでいて完結した典型的なフェンダーサウンドだ。テレキャスターの「P-Rail」をより出力レベルの高い P90 側に切替えてみると、この「normal」モードを簡単にクランチさせることができた。高音域が若干きつめだと言えなくもないが、サウンド自体は良い。なんと言っても自然だし、ギターの響き/鳴りもしっかりと反映されている。スイッチを「fat」に切替えると即座にオーバードライブサウンドになるが、それでも素晴らしいサウンドだ。最初のチャンネルはクリーンサウンドのみに制限せず、クランチからオーバードライブまでを十分に叩き出すことができた。

 

Fender Super-Sonic 22 Combo

次は「burn」チャンネル。ゲインを 2、3 段階に分けて加えて行く。テレキャスターを今度はダブルハムバッカーで使用し、「ゲイン 1」を 6 に、「ゲイン 2」を 0 に設定すると、ファズ寄りのサウンドが出せた。これは興味深い。サチュレーションとコンプレッションの度合いを独立して調節できる二つのゲインノブが実に素晴らしく、大変気に入った。これならかなり幅広く多様性に富んだサウンドを作ることができるだろう。当然、レスポールでもあらゆるサウンドを試してみたが、結果はやはり決定的だった:フェンダーのアンプで、ロックも、ヘヴィストーナーもこなせてしまったのだ!しかし、メタルとなると話は別だ。他のアンプを使うか、もしくは好みの歪みペダルを一発かましてやる他ない。

 

レスポールで「burn」チャンネルの「ゲイン 1」を持ち上げ、「ゲイン 2」を下げておくと、ロックやブルースに適した良い感じの飽和サウンドが得られた。「ゲイン 2」を持ち上げると、サウンドは太くなり、なんの問題もなくよりヘヴィな領域へと突入できる。ペダルをかまさずにフェンダーのアンプで図太いサチュレートサウンドが得られるだなんて信じにくい話だろう。しかし、それが本当に可能だったのだ。

 

Accutronics 製のスプリングリバーブに関して批判することはなにもない。こなすべき仕事をしっかりこなし、我々の愛するあの古き良き残響音を再現してくれているのだから。

 

この辺でみなさんにも実際にオーディオサンプルを聴いていただこう:

 

 

Tele Rail Manche Clair Normal
00:0000:24
  • Tele Rail Manche Clair Normal00:24
  • Tele P90 Chevalet Crunch Normal00:28
  • Tele P90 Chevalet Crunch Fat00:11
  • Tele Double Chevalet Burn Gain 100:14
  • Gretsch Manche Clair Normal00:30
  • Gretsch Chevalet Crunch Fat00:18
  • Les Paul Chevalet Gain 1 = 7 Gain 2 = 700:16
  • Les Paul Chevalet Hi Gain Middle = 000:16
  • Les Paul Chevalet Burn Gain 1 = 7 Gain 2 = 000:13
  • Reverb = 400:25

 

こちらはスピーカーの前に BeyerDynamic の『M88』マイクを立てて録音したサンプルだ:

 

Crunch M88 Telecaster
00:0000:14
  • Crunch M88 Telecaster00:14
  • Sature M88 Telecaster00:13
  • Clair M88 Telecaster00:28

 

 

結論

 

フェンダーは、約 1400 ドルで完璧な品質の 22 ワット・オールチューブアンプを提供してくれた。外観も上出来だし、グループで静かに演奏するだけの十分な出力もある。いかにもフェンダーなクリーンサウンド、独特のクランチサウンド、そしてなにより本格的な歪みチャンネルの存在。これに加えてエフェクトループ、Accutronics 製のロングスプリングリバーブ、堅牢かつ完全なフットペダル、そして保護カバーまでが手に入る。隙のない完璧さだ。唯一惜しむらくはその価格と重量。22 ワットにしては若干高過ぎ、そして重すぎる。しかしそのサウンドを聴けば、これも十分譲歩できる範囲だ。

 

Fender Super-Sonic 22 Combo
  • 高い製造品質
  • 見事な外観
  • フィニッシュの異なる 2 モデルを用意
  • フェンダー独特のクリーンサウンド
  • 一風変わったクランチトーン
  • ロック向きの本格的なサチュレートサウンド
  • Accutronics 製のスプリングリバーブ
  • バンド演奏にも十分な出力
  • クリーンチャンネルのブースト機能
  • 非常に堅牢なフットスイッチ
  • Eminence 製スピーカー
  • 1400 ドルでたったの 22 ワット仕様
  • 22 ワットの割に重くてデカい
  • エクストリームメタルには不向き