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ペダルボードの王様

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Denfert 2008/10/15

Denfert 2008/10/15

SKB stageFiveをテスト!


ギタリストの多くはエフェクト大好き人間で、中にはペダル中毒も結構居るっていうのはべつに秘密じゃない。ただもちろんこの小さい箱どもを簡単に運んだり繋いだりする必要に迫られる時は来るわけで、それがペダルボード(エフェクター・ボード)が開発されて、これから詳しく見ていくSKBのStagefiveのような製品が企画される理由のひとつだ。

※本記事ではコンパクト・エフェクターを指してエフェクター全般と区別するため欧米式にペダルと表記しています







Audiofanzineのフォーラムやどこかでギターエフェクトの話になると、決まって2つの宗派がこの哲学的とも言える命題でバトルすることになる。もし「ギターアンプ直結派」の信者(少数派)でないなら、一方にはサブ・サブ・サブ・メニューを辿ってやっかいなデジタルのプログラミングも厭わないマルチエフェクター大好き派と、2つのつまみでレッツ・プレー!なコンパクト・エフェクター派に分かれる。
そこで疑問に思うことだろう。どうやって古風な伝統的ペダルがデジタル・インベーダーに抗ってきたのか? ひとつには客観的な理由、つまみが2〜3個しかなく「1台で1エフェクト」なコンセプトは明快だし、1つか2つのエフェクトしか必要としないギタリストも居るし(そう、居るんだよ!)一般的にマルチエフェクターよりも頑丈である点等からだ。
一方、より主観的な理由もある。よく言われるデジタルに比べてのアナログの暖かみとか、それと同様にデジタル技術が発展する以前に録音された伝説的な曲の中で、我々のギター・アイドル達によって使われたエフェクトに少しでも近づきたいというようなことだ。ワウワウ無しでいったいどうやって『ブードゥー・チャイル』を演るっていうんだい? 『メッセージ・イン・ア・ボトル』をBOSSのコーラス抜きでとか、U2の曲をあの山ほどのペダル抜きでとかあり得ないでしょ?







ペダルボード?








とはいうもののペダル愛好家はいくつもの試練に見舞われる。特にもしも、筆者のように、いくつもの別々のブランドのペダルを足元に並べておきたい場合は尚更だ。つまり様々なペダル同士やアダプター類を繋ぐとき、電池を使いたくない場合はとんでもないことになる。電源ノイズの問題、ケーブルはあっちこっちでスパゲッティみたいになるし、特に移動に関して頭が痛い! ライブで7〜8個のペダルを電源アダプターでセッティングするほどややこしいことはないよ。外したり繋いだりを繰り返さなければならないことがよくあるけれど、これは時間がかかるばかりでなくトラブルや故障の元にもなりかねない。

これには解決策がいくつかある。ペダル愛好家は「Do it yourself」精神でボードを自作することを迫られる場合が多い。やり甲斐のある作業だけれど時間がかかるし最低限の知識も必要だ。カスタム・ショップという手もあるが、誰もがデビッド・ギルモアのようにピート・コーニッシュにカスタム・ボードを作ってもらえる訳じゃない。

そこでSKBが提案するのが、大金持ちでも大工仕事が得意でもないペダル愛好家の生活に安息をもたらすようデザインされたstagefiveという解決策だ。







オーバービュー







先に言ってしまうと、stagefiveは存在感ありまくり。約8個のペダルを設置・保護できるようにデザインされている。比較的軽いプラスチックでできているようだが丈夫だ。(フタを閉めれば例え上に乗ってもペダルにダメージを与える心配はない。そう、試してみたさ!)そして空っぽの状態でも結構重い。
さりとて無から有は生ぜず。ペダル狂はその情熱ゆえの慢性腰痛に耐えねばならない。さもなければデジタル・マルチエフェクターに乗り換えるしかないのだから!
stagefiveの重量はペダルマニアを幸せにする様々な機能の証でもある。自分自身でジャッジして欲しい。

  • ペダルをアンプの前にでもエフェクト・ループの中にでも設置できる独立したエフェクト・ループ。2系統のループがあるので2台のアンプに対し1度にセットアップできる

  • どんなギターを使っていても(シングルコイルでもハムバッキングでも)ペダルに充分強いシグナルを届ける入力バッファ。ゲインが落ちる心配をせずに長いケーブルを使用できる

  • 有名ブランドのフォーマットに対応し、調整され、フィルタされ、互いに干渉しないよう絶縁されたパワーサプライ。BOSSやElectro-Harmonix等のスタンダードな9ボルトの他、以下にも対応。

    • DigitechおよびLine 6用1.3アンペアVACプラグ

    • MXR EVH Flanger等の18VDCプラグ

    • ブティックおよびビンテージ・ペダル用24VDCプラグおよび他のビンテージ・ペダルに対応する9/12VDCプラグ


  • 様々なコネクター(ミニプラグ、電源等)のケーブル類が付属

  • アンプ無しでも素早くペダルのセッティングをテストできるヘッドフォン端子

  • ケーブル・テスター。万歳! 個人的にはこの小さなおまけこそペダル愛好家の福音だ。えっ!? 傷んだケーブルのせいでペダルのセットアップに悪戦苦闘したことなんかないだって!? それはハードコアなペダル愛好家じゃない証拠だ!


要するに、全ては時にきまぐれなエフェクトボックスちゃん達を最大限に活用するためだ...。







実際の使用








まず始めに、特殊な設定をする場合は取説はあまり助けにならない。かなりベーシックなセットアップの例がいくつか載っているだけだから。しかもオーディオ・ルーティングしか紹介していないのだ。この部分はいくつかセットアップ例等が加筆されることを期待したい。

実際のところ、それはどんなペダル・システムでも重要な点だ。開発元は複数の電源フォーマットをそれぞれの電極性で採用している。ケースによると、DC電源のペダルの+か−はコネクターの内側かもしれないし、そうでないかもしれないとのこと。間違うとペダルにダメージを与えかねない。それにもし取説がそのことを警告したとしても、ギタリストは各アダプターの側にある小さな『+』スイッチの意味を何だろう?と思うかもしれない。この場合、内側が+極になる。とにかく各ペダルの電圧と極性のスペックは確かめよう。







ペダルの設置自体は何の問題もない。粘着性マジックテープで土台にペダルを固定するが、ペダルのゴム足が大きすぎる場合は取り外した方がいいだろう。例えばクライベイビー・タイプのワウワウはゴム足のない状態の方がしっかりマジックテープにはまる。簡単な作業なので便利屋でなくとも事故なしで乗り切れるはず! 一定の間隔で並んだスロットはオーディオと電源のケーブルを通すためだ。とはいえプラグのサイズには注意しよう。筆者のプラグはどちらかというと大きめで、特にボードの手前側に行くほど深さがなくなるため時々通すのに苦労した。
最終的な見え方は土台の下にケーブル類を通すようなホームメードのペダルボードより美的には劣るかもしれないが、その代わり簡単にセットアップを変えられるというメリットがある。ループ・ルーティングはとても簡単で直感的だ。シグナルパスは取説に詳しく載ってなかったとしても、ペダルボード本体にちゃんと書いてある。

ひとつだけ悔やまれるのは、シグナルを他方のループへルーティングするボタンがないことだ。簡単なA/Bボックスを自分で付ければいいのだが、そうするとその分ペダルのための場所を喰ってしまうことになる。そこまで考えて欲しかった、残念!







で、サウンドは?








逆に音質に関しては、何もとがめるようなことはない! プリアンプ/バッファは控えめで音にそれとわかるような色を付けることもない。純粋主義者のために、専用入力端子によってバイパスすることもできる。

同様に電源は非の打ちどころのない完璧さ。何しろアースがいい加減なせいで筆者のアパートではしょっちゅうハムノイズに悩まされていたのだ。ステージの電源を冷蔵庫や蛍光灯とシェアしてるような特殊なケースはさておき...。これは専用システムならではの利点だ。

もちろんペダルの組み合わせ方によっては1〜2個電源コネクターが足りなくなるかもしれないが、stagefiveは一貫して最も広く使われている、そして今後も使われていく9ボルトのタイプを一番多く備えている。筆者のAC18ボルトのVibeユニットの電源は取れなかったが、それを言い出すとまた別の深みにはまってしまう!







その他にもナイスな機能がある。4ボルトから12ボルトまで調節できる直流電源端子が2つあるので、過電圧をかけたり(注意!全てのペダルがサポートしているわけではない)逆に電池が切れかかった状態をシミュレートすることもできる。ファズかオーバードライブで試してみれば、ひと味違ったサウンドが得られることうけあいだ!

ヘッドフォン出力に関しては、アンプとスピーカーのシミュレーションのためにPodやSansampの出力をヘッドフォン・アンプ入力に繋いだ場合以外は筆者にとってはあまり使い道がなかった。

ケーブル・テスターは使い易く、手放せない機能になること間違いなしだ。特にペダルボードを抱えてツアーに出るときなど、外部テスターを引っ張りださなくて済む。オールインワンで超便利だ!







結論



何週間か使ってみて、stagefiveがよく考えられたギターペダル・ツールであることが証明された。ルーティングの自由度や電源、それにケーブル・テスターといった機能は、我々反デジタル派のエフェクト愛好家のニーズの9割以上に応えてくれる。もし重さと大きさがいくぶんあり過ぎという場合は(すぐにウェイトリフティングを始めよう)残念ながらそれはより幅広く確かな唯一の解決策のための代償なのだ。
全体を通してやや残念なのはあっさりし過ぎな取説と2つのエフェクト・ループの切り替えボタンがないこと。約400ユーロという価格はバーゲンという訳ではないが、耐久性と品質からして充分にそれだけの値打ちがある。



  • 堅牢性

  • 電源の質

  • 内蔵ケーブル・テスター!



  • 不十分な取扱説明書

  • いくつかのポピュラーでない電源をサポートしないので事前にチェックしよう!

  • 2つのエフェクト・ループの切り替えボタンの欠如


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