Line 6

Line 6 POD X3 Pro 詳細レビュー

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Red Led 2009/1/31

Red Led 2009/1/31
Line 6 POD X3 Proをテスト


Pod XTの後継として2008年にPOD X3とX3 Liveをリリースして以降、Line 6は次なるPOD Proのアップデートの必要性を感じていた。なので入出力をたっぷり備えたラックマウント型のPODであるPOD X3 Proの登場は驚くには当たらない。

Pod Proの背景にある基本的なアイディアは、ステージとスタジオのどちらでもほとんどのユーザーを満足させられるように、たくさんの入出力(アナログとデジタル)を装備することだった。ラックマウント仕様ならスタジオに設置し易いし、特にプロフェッショナルの現場ならなおさらだ。しかしながらオリジナルのPODがギタリストにとって持ち運びし易いサイズだったのに対し、コンソールの前に設置するとなるとやっかいだ。ライブをする機会が多く、サウンドを脚でコントロールしたいギタリストに主眼が置かれたPod Liveも同様だ。

POD X3 ProはX3およびX3 Liveバージョンと同じコンセプトで開発されている。有名なLine 6のモデリング (78種のギターアンプ、24種のギターキャビネット、98種のエフェクト、28種のベースアンプ、22種のベースキャビネット、6種のマイクプリアンプ、そして4種のマイク)、そしてPOD Farmソフトウェアにより録音やプリセットの編集がグラフィカルなインターフェースで容易に行えるとともに、後からリアンプすることができる。

しかし我々ほとんどのギタリストにとって何が最も興味深いのか?まずは見て行こう。







フロントパネル







まず気づくのは外観の変化。ブランドカラーとしても知られるLine6独特の赤の大部分はダークグレーに変わった。2つのギターとマイクプリアンプ入力部分のみが赤のままになっており、他の部分よりも目立っている。個人的にはこの外観はPod Pro XTより良くなったとは言い難い。プロ仕様のプロダクトとしてはいささか安っぽい印象を受ける。つまみ類は他のLine6製品と同様だ。大型LCDスクリーンはPod X3と同じだが、より多くの情報を表示できるようになってインターフェースも理解し易くなり、とても良くなった。外観の変更の最後のひとつはPod Proが成長したこと。今や3Uラックの高さだ。






向かって左側には2つのXLRマイク入力と2つのギター/インストゥルメント入力(1/4インチ標準フォーン)がある。この赤のストライプ部分にはそれぞれ2つのLEDがあり、グリーンは信号の入力を、赤はクリッピングを示している。ローカット・フィルターはマイク用の−20dBパッドともうひとつギター用のパッドがある。そして48Vファンタム電源のスイッチが2つのストライプのちょうど中央部分に位置している。

ナビゲーションに関してはPOD X3と同様だ。スクリーンは「HOME」か「EDIT」のシグナルパスを表示する。HOMEボタンによりプリセットにアクセスしたり、EDITページでセッティングを変更できる。4ボタンと4つの多機能つまみのカップリングはPod X3 Proの使い勝手をPod XTよりも大幅に向上させている。そして大型のバックライト付き液晶画面によりで豊富な情報を表示できる。





他にもいくつかの重要なページへのアクセスがボタンにより容易になっている。INPUTSボタンは入力設定画面を表示し、OUTPUTSボタンは(もちろん)出力設定画面、TONE 2はチャンネルの切り替え、または同時に両方をアクティベートする (このX3シリーズについては後述)。他のボタンとつまみ類はギタリストにとってアンプを設定するうえで一般的なものがほとんどだ。ボリューム、ベース、ミドル、トレブル、ドライブ、プレゼンス、リバーブ、そしてAMP、STOMP (ディストーション・ペダル)、DELAY、VERBといったモジュールへのジャンプボタン。TAPボタンではディレイのスピードや内蔵チューナーを起動できる。

Pod X3 Proはグッドデザイン賞は勝ち取れないかもしれないが、実際のワークフローのエルゴノミクスでは抜きん出ているし、ユーザーインターフェースこそが新世代のPODで最も進化した点と言えるだろう。







バックパネル






バックパネルを見ればなぜこの製品が「Pro」と呼ばれるのか更によく解るだろう。これら全ての入出力は、スタジオでも、家でもライブでも、ほとんどのユーザーを満足させるのではないだろうか。まず、コンピューターでプリセットを編集したり録音する上で欠かすことのできないUSB端子。有名なVariaxのインターフェイスも備えており、もしあなたが幸運にもこのモデリングギターを持っているなら、サウンドをPod X3 Proによって直接コントロールできるのだ。この機能はステージやスタジオで重宝する。PODとVariaxのプリセットをワンクリックで、またはペダルをひと踏みするだけで呼び出せることを想像してみて欲しい。RJ45端子を介してLine 6のあらゆる製品と接続でき、Podをライブで使用するようなギタリストにとって恩恵となることは間違いないだろう。デジタル入出力に関しては、POD X3 ProはXLR AES/EBUとS/PDIF同軸を備えている。その下にはプリセットのプログラムチェンジ用にMIDI INおよびMIDI OUT/THRU、そしてアナログ入手力端子の一群がある。





この点に関してはLine 6の開発チームに妥協無しだ。まずXLR出力から始めよう。出力レベル・スイッチ(ラインまたはマイク切り替え)付きでグラウンド・ループの際のGROUND LIFTスイッチも備えている。エフェクトループ用にペアのFXセンドとペアのFXリターン (1/4インチ標準フォーン)、ラインレベルまたはアンプ (スピーカー・シミュレーションをバイパスし実際のギターアンプを直接鳴らす) 用のもうひと組のアンバランス (-10dBV) 出力 (1/4インチ標準フォーン)、他のソースをPODに繋ぐためのアンバランス入力端子 (1/4インチ標準フォーン)。おまけにPod X3 Proは2つのインストゥルメント用アンバランス出力端子 (1/4インチ標準フォーン) まで備えており、ギターからPODのギター入力端子への生音を直接出力できるのでリアンプに便利だ!

リアンプに関して言えば、X3シリーズの主要なイノベーションのひとつはこの目的に非常に便利な2つのプログラムが挙げられるだろう。
だ。







バンドル・ソフトウェア






外箱には「POD Farmプラグイン同梱」と書かれたステッカーが貼られているのに気づく。これって何? POD X3をプラグイン形式でソフトウェア化したものに他ならない。
従って豊富なリアンピングとマルチ・インスタンスを持つことができる。USBインターフェースがギターの処理後の音と処理前の音両方を扱えるようになって以来、処理前の音をキープしておき、後からPOD Farmプラグインで処理できるようになった。これによってシーケンサーを使用するホームスタジオ・オーナーにとってPODの使い勝手は格段に向上したと言えるだろう。しかもPOD Farmの新しいグラフィック・インターフェースはよく練られており、エルゴノミクスやワークフローのお手本のようだ。
何しろこの小さな素晴らしいソフトがPOD X3ユーザーには無料なのだ。PODの全ての「モデル」はPOD Farmのも含まれている。現バージョンでもギアボックスは健在で、調整やロード、プリセットの保存できるグラフィカルなユーザー・インターフェースはPODよりも便利だ。

USBを介してコンピューターに繋げばPOD X3 Proは8つのアウトプットを備えたオーディオ・インターフェースとしても機能する。出力1および2は処理されたメインの信号 (Tone 1、Tone 2またはTone 1 + 2)、出力3および4はTone 1のステレオ・セパレート、出力5および6はTone 2のステレオ・セパレート、出力7はTone 1にアサインされた入力の全体、出力8はTone 2にアサインされた入力の全体となっている。最後の2つはつまりPOD Farmプラグインや他のプラグインによるリアンプに使用できる。

バンドル・ソフトウェアに関しては申し分なしだ。ではデバイスそのものに関してはどうだろうか?







デュアルトーン






X3シリーズで目新しいのは2つの完全に独立したトーンパス (Tone 1 および 2) を提供するデュアルトーン機能。ほとんど限界なしだ。アンプやエフェクター等2つの全く異なるセッティングで2本のギターをそれぞれ繋ぐことができるだけでなく、1本のギターの信号を両方の回路に送り、両方の出力から2つの異なる、または補完し合うサウンドを得ることもできる。POD X3 Proの内部ルーティングは非常に柔軟性があり、どの入力をどのトーンパスに送るか自由自在だ。しかも2つのトーンをギャップやノイズ一切なしで瞬時に切り替えることができる。このシームレスな遷移はディレイやリバーブの残響をも含む。既に様々な可能性が思い浮かんでいるのではないだろうか。ギターと同時にベースを録音 (PODには今やベースアンプのシミュレーションもある) したり、またはギターとボーカルさえ (マイク・プリアンプのシミュレーションを介して) 同録できる…。要約すると、ステージにもホームスタジオにも持ち込めるオーディオの万能スイスアーミーナイフを手にしたようなものだ。

サウンドに関してはLine6は益々モデルを増やしており、過剰なまでのサウンドの中には気に入るものが必ず見つかるだろう。このページのリストにはクラクラするかも。全部は覚えきれないし、中には冗談みたいなものさえある。しかしほとんどの場合そのクリーンなサウンドはとてもリアリスティックであり、少なくともミックス後のディストーション・サウンドは本物と間違うかもしれない。シミュレーションされている全てのアンプのオリジナルを持っていない以上、これら全てのシミュレーションの忠実度を判定するのは難しい。フェンダーのベースマンやデラックス・リバーブのようなモデルは成功している。メキシカン・フェンダー・ジャガーで録音したサンプルをいくつか紹介しよう。

BlackFace Deluxe
BlackFace Vibro
Plexi45
PlexiLead100
clean sound
distorted sound

こちらのLine6のサイトで更に多くのサンプルを聴くことができる。

最後に、PODの唯一最大の問題点はエフェクトとアンプを何でも好きな順番で繋ぐことが出来ない点だ。例えばワウワウはディストーション・ペダルの前にしか来れず (逆も面白いかもしれないのだが)、「どんなことでも可能」にするアイディアをスポイルしている。
さらに、Line6のアンプとエフェクトが高品質であることは数多くのギタリスト達自身によって証明されているとしても、X3の平凡なマイク・プリアンプと組み合わされたマイク・シミュレーションは月並みなレベルだ。従ってどうしても必要な事態に備えて一応ある、という程度なのだが、それでも場合によっては非常に便利であることは確かだ!







結論






Line 6はPODに更に多くのモデルを追加しより完全なものに進化させることを達成した。音質は良いしこれだけの入出力があればPOD X3 Proはどんなシチュエーションにも対応できるだろうし、実際のところ欠点を見つける方が難しい。ナビゲーションとエディットを容易にする新しいインターフェースと画面、そしてホームスタジオ・ギタリスト達に新たな地平を開くPOD Farmプラグインはお勧めできる。POD X3 Proは約8万円台でPOD、マイクプリアンプも含め豊富な端子を備えたオーディオ・インターフェース、そしてアンプ/エフェクト・シミュレーター・プラグインを提供してくれる。オール・イン・ワン方式のファンにとって本当にマスト・バイな製品だ!


  • 豊富なモデル

  • サウンド・クオリティ

  • 豊富な入出力

  • 大型のバックライト付き液晶画面

  • GUI:実用的で視認性に優れる

  • POD Farm プラグイン

  • 8チャンネルのUSBインターフェース




  • 外観

  • 3Uラックサイズで重くなった

  • 完全にフレキシブルという訳ではないエフェクト・チェーン

  • 平凡なマイクプリアンプ


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