Fender Blacktop Jaguar HH
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Fender Blacktop Jaguar HH

Blacktop Jaguar HH, JZ/JG モデルのソリッドボディエレクトリックギター from Fender in the Jaguar series.

US public price: $699 VAT
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Fender『Black Top』シリーズ詳細レビュー

フェンダーの切り札
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フェンダーが、繰り返される既存モデルの復刻から手を休め、高出力のパッシブピックアップを搭載した最新モデル『Black Top』シリーズを発表した。このシリーズには、同種類のハムバッカー 2 基をマウントしたテレキャスター、ジャガー、そしてストラトキャスターの各モデルをラインナップ。ジャズマスターは、ハムバッカー 1 基(「Hot Vintage Alnico Humbucking Bridge」)と P-90(フロント)を搭載した独自のピックアップコンビネーションが採用されている。

爆音!

 

元来ハムバッカー・ピックアップはギブソン社のエンジニアが開発したもので、二つのシングルコイル・ピックアップを直列接続して位相を逆相にすることで、不要なノイズを電気的かつ磁気的に除去するためのものだった。しかし、ギタリスト達はハムバッカーを「パワフル」で「芯があり」、「ウォーム」な特徴をもつピックアップとして実践的な面から認知している。そのため、ハムバッカーは歪んだサウンドに最適だとされている。フェンダーは、透明感のあるクリアなシングルコイルサウンドを主な特徴としており、その音色は数々のロックの名盤で聴くことができる。しかし、1950 年からギブソンが牛耳ってきたハムバッカー界隈でリードを取ることはできなかった。

 

デザイン

 

Fender Blacktop Series

この『Black Top』シリーズはすべてメキシコのフェンダーファクトリーで生産されている。ボディはアルダー材で、ボルトオンタイプのメイプルネックを採用、指板は指板面が 9.5" でミディアムジャンボサイズの 22 フレット仕様となっている(ジャズマスターを除く)。デザインとカラーフィニッシュを画一化することで、フェンダーは価格を 450 US ドルにまで抑えることができた。メイプル指板かローズウッド指板を選択できるが、後者はよりウォームで丸く、正確なトーンが出せる。この価格だと、ボディ材は高品質な木材ではなく、2~3 枚の木材の合板だろう。現実問題として、この価格で単板ボディ同様の共鳴が得られるなんて期待をしてはいけない。全モデルともグロス(艶有り)フィニッシュのポリウレタン塗装が施されている。ネックは『Classic Reissue』シリーズ同様、分厚く、木材を完璧に保護してくれるフィニッシュとなっている。握り心地も優れており、ネックのどのポジションでも快適な演奏が楽しめる。トラスロッド調整はネックのヘッド側から行えるようになっているためとても便利だ。全モデル共通のニッケル/クローム製のハードウェアおよびボリュームノブは、フェンダーアンプのそれを思い起こさせるものだ。とても独特なアイディアではあるが、アンプタイプのノブは好みじゃない人もいるだろう。

 

詳細

 

それでは『Black Top』シリーズの特徴を詳しくみていこう。

 

Fender Blacktop Series

ストラトキャスターの外観とサウンドはかなり完成されている。キャンディアップルレッドのフィニッシュにマイルドグリーンのスリープライ・ピックガードは見た目も素晴らしく、目を惹くギターに仕上がっている。他にもソニックブルーとブラックの 2 種類のフィニッシュが用意されており、指板もローズウッドかメイプルから選べる。このギターには、クロームカバー付きの「Hot Vintage Alnico Humbucking Pickup」が 2 基とボリュームノブ、トーンノブ、ビンテージタイプのトレモロ、そして 5 ウェイトグルスイッチが装備されている。

 

P.U. ポジション 1:リアのみ。フルブリッジ。パワフルでリッチなサウンドだ。アグレッシブだが的確なリズムパート向けの音と言える。

 

P.U. ポジション 2:両ハムバッカーの内側のシングルコイルのみ(スプリット)。中域のレスポンスが弱めだ。元気なサウンドだがレンジはそれほど広くない。

 

P.U. ポジション 3:リアとフロントのフル・ハムバッカー。低域が柔らかくなるため中域が膨らむ印象だ。フラットでどっしりした音色。

 

P.U. ポジション 4:ネック側のシングルコイルのみ。この 5 つのポジションの中で最も面白いサウンドとなっている。ストラトキャスター特有のサウンドから鋭さを削ったような音だ。

 

P.U. ポジション 5:フロントのみ。フルネック。ローがきつすぎるため、非常に重い音色だ。リズム用としてはヘヴィすぎるが、リードギター用には使えそうだ。

 

重要:サンプルサウンドは『The Valve 250-1』と『Two Notes Torpedo VB-101』で録音されている。エフェクトは一切加えず、アンプ側の EQ はすべてフラットという設定。

 

 

Strat Clair Chevalet
00:0000:15
  • Strat Clair Chevalet00:15
  • Strat Clair Pos 200:18
  • Strat Clair Milieu00:19
  • Strat Clair Pos 400:18
  • Strat Clair Manche00:18
  • Strat Crunch Chevalet00:13
  • Strat Crunch Pos 200:13
  • Strat Crunch Milieu00:12
  • Strat Sat Pos 400:16
  • Strat Sat Pos 200:15
  • Strat Crunch Pos 400:12
  • Strat Crunch Manche00:13
  • Strat Sat Chevalet 100:14
  • Strat Sat Chevalet 200:14
  • Strat Sat Milieu00:16
  • Strat Sat Manche00:17

 

 

Fender Blacktop Series

本シリーズの華となるのがジャズマスターだ。見た目も美しい 3 カラーサンバーストで燦然と輝いている。指板はローズウッドで 21 フレット仕様(他のモデルはすべて 22 フレット仕様)。ピックアップは、フロントに P-90 をベースに開発された「Duncan Designed Single-Coil Jazzmaster Pickup」をマウント。リアは「Hot Vintage Alnico Humbucker」で、ピックアップカバーは外されている。他のモデル同様、ビンテージタイプのトレモロを装備しているため、チューニングを安定させるためには正確な調整が必要だ。当然ながら、このトレモロでヴァン・ヘイレン風のダイブボムはできないのでご注意を。他には 3 ウェイトグルスイッチが装備されており、ハードウェア類はクローム製だ。ネックピックアップはクリアで元気のいいバランスの取れたサウンドで、リフの演奏に最適だ。ミドルポジションでは、P-90 らしさが現れ、とてもファンキーな音色が楽しめる(このレビュー用に送られてきたモデルは少なくてもそうだった)。各ピックアップ用に個別のボリュームノブが備わっていたらさらに良かった。

 

 

Jazzmaster Clair Chevalet
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  • Jazzmaster Clair Chevalet00:15
  • Jazzmaster Clair Milieu00:16
  • Jazzmaster Clair Manche00:18
  • Jazzmaster Crunch Chevalet00:12
  • Jazzmaster Crunch Milieu00:12
  • Jazzmaster Crunch Manche00:12
  • Jazzmaster Sat Chevalet00:17
  • Jazzmaster Sat Milieu00:17
  • Jazzmaster Sat Manche00:19

 

 

Fender Blacktop Series

テレキャスターはキャンディアップルレッド、ブラック、シルバーの 3 カラーを用意。2 つの「Hot Vintage Alnico Humbucker」ピックアップがテレキャスターの特徴を殺いでしまっているため、シリーズの中ではあまり面白みのないモデルとなっている。見た目的にも、プラスチック製のピックアップフレームはイケてない。しかし、見た目のみで判断はできない。より詳しくみてみよう。実は、いくつかの新機軸が見て取れるのだ。まず、クロームプレート上にあるコントロールノブと 3 ウェイトグルスイッチの位置が通常のテレモデルのそれとは逆に配置されている。若干ではあるが、クロームプレート自体も右手寄りに位置しているように感じられる。そのためボリュームおよびトーンノブへのアクセスが簡単かつ迅速に行える。ブリッジは弦裏通しタイプのクローム製のため、よりサステインのあるサウンドが出せる。トーンは丸く滑らかで、フロントもリアも「甘すぎる」ぐらいだ。ストラトキャスターのもつ切れ味が完全に失われており、カントリーやファンクといった音楽スタイルにはまったく適していない。シャキッと感が足りないため、この種の音楽にはフラットすぎるのだ。

 

 

Telecaster Clair Chevalet
00:0000:16
  • Telecaster Clair Chevalet00:16
  • Telecaster Clair Milieu00:15
  • Telecaster Clair Manche00:15
  • Telecaster Crunch Chevalet00:16
  • Telecaster Crunch Milieu00:16
  • Telecaster Crunch Manche00:17
  • Telecaster Sat Chevalet00:15
  • Telecaster Sat Chevalet 200:13
  • Telecaster Sat Milieu00:15
  • Telecaster Sat Manche00:14

 

 

Fender Blacktop Series

 

このシリーズでは、ジャガーのみがローズ指板のメイプルネック仕様で、25.5" ではなく 24" スケールと若干短めとなっている。フィニッシュはブラックとシルバーの 2 種類。ブリッジにはアジャストマティック・ブリッジを採用、正確な調整でチューニングを保つことができる(編集部に送られてきたモデルはそうじゃなかったが・・・)。通常のジャガーモデルの調整に手間取った経験のあるプレイヤーにとっては、この仕様は実にありがたいだろう。コントロールノブへのアクセスも容易だ。機能も最低限に抑えられており、他に 3 ウェイトグルスイッチを備えるのみとなっている。各ピックアップごとに独立したトーンノブがないのはやはり残念なところ。フロントピックアップは歪ませすぎると鈍臭い音になるが、逆にクランチサウンドを出したい場合はもってこいだろう。ジャガーなのにトレモロがないのは実に惜しい・・・。

 

 

 

Jaguar Clair Chevalet
00:0000:11
  • Jaguar Clair Chevalet00:11
  • Jaguar Clair Milieu00:12
  • Jaguar Clair Manche00:12
  • Jaguar Crunch Chevalet00:16
  • Jaguar Crunch Milieu00:15
  • Jaguar Crunch Manche00:15
  • Jaguar Sat Chevalet 100:10
  • Jaguar Sat Chevalet 200:14
  • Jaguar Sat Milieu00:10
  • Jaguar Sat Manche00:10

結論

 

このフェンダー『Black Top』シリーズは、実に幅広いサウンドバリエーションとカラーフィニッシュを提供している。そのピックアップの組み合わせも驚きだ。しかし演奏性はどれも抜群!華となるのはジャズマスター。外観も美しければ音色の表現力も抜群。価格も魅力的だ。破産せずにフェンダーを一本持ちたいと考えているプレイヤーにはぴったりだ。

 

  • フィニッシュの質
  • オリジナル性
  • 価格以上の価値
  • 特にジャズマスターのもつ魅力
  • ストラトキャスターの多様性
  • ギグバッグ未付属
  • 面白みに欠けるテレキャスター
  • トレモロのないジャガー