TC-Helicon Harmony-G
+
TC-Helicon Harmony-G

Harmony-G, ボーカルプロセッサ from TC-Helicon in the VoiceTone series.

ユーザーレビュー
Price engine
三行広告
  • フォントサイズの変更
  • 削除する

TC-Helicon VoiceTone Harmony G 詳細レビュー

  • Like
  • Tweet
  • +1
  • Pin it
  • Mail

VoiceToneシリーズでボーカリスト達を大喜びさせたTC-HELICON。今度はギターのコード進行に追随してボーカル・ハーモニーを生成できるエフェクターで弾き語りシンガーを魅了しようとしているようだ。理屈は凄いが実際のところHarmony Gは実用的なのだろうか? それが今回のテストでチェックしたい点だ。

Red Led 2008/10/03

TC-HELICON Harmony Gをテスト

VoiceToneシリーズでボーカリスト達を大喜びさせたTC-HELICON。今度はギターのコード進行に追随してボーカル・ハーモニーを生成できるエフェクターで弾き語りシンガーを魅了しようとしているようだ。理屈は凄いが実際のところHarmony Gは実用的なのだろうか? それが今回のテストでチェックしたい点だ。

もうひとりじゃない!

ライブでのコーラス・セッティングというのは往々にしてやっかいなものだ。メイン・スピーカーの音量の割にモニター・スピーカーの返りが悪いと音程をハズしてしまったりするし、音痴なハモりはとたんに観客をイラっとさせてしまう。しかしもっと困るシチュエーションというのもある! つまり、ステージにひとりで上がるのに、いったいどうやってハモれと!? もし世界が羨むような才能を持ち合わせていたとしても、ひとりじゃ声はモノフォニックのままだ。幸いにもTC-HELICONが弾き語りのギタリストやピアニストのソロ・ミュージシャンを考えて、あたかもセットリストをしっかり暗記した2人のバーチャル・シンガーがまるで魔法みたいに現れるペダルを作ってくれた。でもどうやってそんなことが可能なんだろう? 答えは簡単。この装置に繋がれたギターまたはキーボードによって、コード進行を追い、分析し、自分の声でボーカルハーモニーを生成することができる。大まかに言ってそれがHarmony G(ギター用)とHarmony M(MはMIDIのM。MIDI接続されたキーボード用)の基本的なしくみだ。何だか面白そうでしょ? 6弦大好き人間なので今回のテストにはHarmony Gモデルを選んだ。 というわけでかなり興奮しながらTC-HELICONのロゴ入りのいい感じな箱を開けた…。

箱を開けると

Harmony-G
このメーカーの常でパッケージングは完璧だ。見栄えも良く、足りないと感じる物は何もない。取説も過不足なく、ビギナー用と上級者用の2つのパートに別けられている。どちらにせよ心配ご無用。使い方は簡単で同僚のほとんどが数分で主な機能の使い方を理解した。 まず一目見て質の高い製品だということが解る。ディティールは嘘をつかないというやつだ。頑丈な作りでこのサイズのペダルにしてはやや重く(720グラム)底には位置がずれないようにラバーパッドが付いている。 乱暴なミュージシャンの酷使にも耐える2つのフットスイッチ、そしてつまみはゆるまないようしっかりしているが回し易い。LEDは遠くからでも見易く、背面のXLR端子も丈夫そうだ。手短かに言って外見上は全く問題なしだ。 端子の構成はハイ・インピーダンスのギター・インプットが1つ、お気に入りのアンプやエフェクターに信号を送るギター・スルーが1つ、XLRマイク・インプットが1つ、ステレオ出力やドライ・アウト+モノラルアウトも可能な2つのXLRバランス・アウト、そして電源アダプター接続用端子。後者は避けられない。このペダルは電池では動かないのだ。 それでは実際の使い勝手を見て行こう。

セッティングと機能

全てを繋いだら、まず始めにするのはペダルの左上にある『Input』つまみで声の入力レベルを調整することだ。もしクリップしてしまうと小さなLEDが赤く点灯する。『Guitar』つまみでギターとボーカルのバランスを素早く調整できる。このつまみを12時の方向に合わせると『Auto』モードになり、ペダルがリアルタイムでバランスを調節するようになる。サウンド・エンジニアが居ないような場合には非常に便利だ! その右隣にはエフェクトのバランスを調整する『FX』つまみ。そして最後にペダルによって合成されたボーカル・ハーモニーのレベルを調整する『Harmony』つまみだ。
Harmony-G
『Tone』ボタンでアダプティブ・コンプレッション、ディエッサー、シェイプEQの3種類のエフェクトの組み合わせがボーカルにかかる。声をより大きくするとともに、セッティングに関してあれこれ悩まなくてもより良いサウンドが得られるようデザインされており、エフェクターのセッティングにうんざりな人にとっても便利だ。実際のところ抜群な威力を発揮する。 『Preset』ボタンではそれぞれA、Bがある5つのプリセット・ナンバーを選ぶことができる。すぐ下には『Manual』ボタンがあり、このモードはHarmony Gがキーを解析するのが難しいような複雑な演奏をギターがする際に効果的だ。このような場合にはマニュアル・モードを選ぶことで簡単に解決できる。例えばもし曲のキーがCだったら、両方のフットスイッチを踏みながらCのコードを弾けばペダルのキーは以後Cでロックされる。3つまでオルタネート・スケールを設定でき、ペダルが自動的に適切なものを選んでくれる。 『Double』ボタンはまるで双子のシンガーが同じ音程で歌っているように声を二つ重ねる「ダブリング」効果をオン/オフする。声に厚みを持たせたりパワフルにしたい場合に実用的だ。 『FX』ボタンではHallリバーブ、Roomリバーブ、エコー, スラップ・エコー、ディレイとリバーブのコンビネーション、そしてSFX(フランジャー)の6種のプリセット・エフェクトを順番に切り替える。

実際の使用

Harmony-G
このペダルは明快で、覚えるのに時間はかからない。そしてひとたび繋いでしまえば非常に効果的だ。事実ベーシックな使用なら直感的に説得力のある結果を得ることができる。とはいえより高度な機能を使うには取説をよく読まなければならないが。エフェクト・セッティングを調整したり、オルタネイト・トーンを選んだり、ギターにデチューン効果を加えたり、更にはプリセット数を変えることまで可能だ。工場出荷時は5だが3から10の範囲で変更できるので、Harmony Gを自分のニーズに合わせ、ライブでの混乱を避けるのに役立つだろう。 自動ミックス・モードを解除してボーカルやハーモニー、エフェクトのバランス調整をサウンド・エンジニアに委ねることもできる。つまりエフェエクのかかっていないリード・ヴォイスとエフェクト付きハーモニーを別々に出力するよう設定可能だ。おまけに本体設定を通常の440Hz以外にチューニングすることもできるので、音律の異なるピアノやアコーディオン等と演奏する場合にも問題なし! しかしながら、細部ではあまり便利とは言えない点もある。マニュアル・モードではまず『Manual』ボタンを押し(ここまではいい)設定したいキーのコードを弾く前に両方のフットスイッチを同時に踏まなければならないのだが、フットスイッチ同士の距離がやや離れているためたとえ足が大きくてもこれが結構難しい。また、ギターとボーカルのバランスやハーモニーとエフェクトのレベルをプリセットに保存することができない。曲によってはセッティングをいちいちマニュアルで変えねばならず、これは非常に残念だ。

サウンド

組み込みエフェクトの質は非の打ちどころがなく、リバーブはライブにはパーフェクトなセッティング。コンプレッサー、ディエッサー、イコライザーの『Tone』セッティングもとても実用的で、ほとんどのシチュエーションで役に立つ。プリアンプに関しては申し分ないどころかかなりの高音質だ。ボーカルはクリアでシャープ。ハイ・インピーダンスの楽器入力回路も良好で、たとえギターのピエゾやプリアンプが安物だったとしても良い音で鳴ってくれる。言うなればこのペダルは繋いだものを悩むことなく良い音にしてくれる魔法の小箱のようなものだ。この小さなHarmony Gが観客に対して効果絶大なのは間違いない。ついつい年がら年中使いたくなる誘惑に駆られてしまうだろうが、恐らく要所要所にかける方がより効果的だろう。例えばサビの部分だけとか。あ、MCのときにはハーモニー機能を切るのを忘れないようにね、地球外生命体みたいになっちゃうから! サウンド・ファイルを2つ載せておこう。 友人Robert Zimmermannの演奏でボーカルのメロディーはそのままにコードがDからAマイナーに変わる曲の一部分。全てのつまみは12時方向のままにしておいた。そしてもうひとつの例TC-Heliconのサイトにとても良いHarmony Gのビデオ・プレゼンテーションがあるので是非こちらもご覧いただきたい。

結論

TC-Heliconは弾き語りミュージシャンに2人のバーチャル・バックアップ・シンガーを与えるという強烈な魔球を投げてきた。この小さな箱はまるでオーディオのスイスアーミー・ナイフのようだ。その使い易さ、音質、丈夫な作り、そしてとてもリアルなハーモニーは疑いなく多くのミュージシャンを惹きつけるだろう。しかもよく考え抜かれたいくつかの機能(チューニング機能やマニュアル・モード等)を備えたHarmony G。欠点はすぐにこれを使う楽しさが忘れさせてくれるだろう。何しろクロスビー、スティルス&ナッシュも真っ青だ!
  • 説得力のあるボーカル・ハーモニー
  • 良い出来のマイク・プリアンプ
  • エフェクトの品質
  • 丈夫な作り
  • 48Vファンタム電源
  • ギター・スルー端子
  • 声とギターの自動ミックス機能
  • Toneモード
  • 内蔵チューナー
  • 解り易い取扱説明書
  • ギター、ハーモニー・レベルやエフェクトのバランスはプリセットにストアされない
  • ACアダプターが必須
  • 両方のスイッチを同時に踏むのが容易でない
  • コードの変わり目で時々ハングする