M-Audio ProFire 2626
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M-Audio ProFire 2626

ProFire 2626, FireWire audio interface from M-Audio in the Profire series.

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M-Audio ProFire 2626 詳細レビュー

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合計26もの入力、同じく26の出力、8基のOctaneテクノロジー搭載プリアンプ、そしてPro Tools M-Powered対応。M-Audioのこの新製品は中間レベルのFireWireオーディオ・インターフェースというニッチを巧く突いて来た。果たしてライバルを脅かす存在だろうか?

MaZar 2008/11/29

M-Audio ProFire 2626をテストする

trois quart
M-Audioはこれまで長らくマイクやMIDIコントローラー、サウンドカードやその他のホームスタジオ用品等、高品質な製品群を非常に魅力的な値段(ときに過激な値段)でリリースしてきた。Digidesignも傘下に持つAvidによって2004年に買収され、Pro Tools M-Powered対応製品のサウンドカードを出すに至っている。 このPro Toolsバージョンにより、ホームスタジオのオーナーもこの超有名なソフトウェアを使ってTDM互換のセッションを作成できるようになった。もちろんDigidesign製のカード(MBox、DIGI002、DIGI003等)でも可能だったが、M-Audioのおかげでより手頃な価格になったと言える。 今回テストするのはM-Audio ProFire 2626 FireWireオーディオ/MIDIインターフェイス。スペックは下記の通り。
  • 同時アナログ/デジタル入出力26チャンネル
  • 最大サンプリング・レート24-bit/192kHz
  • Octaneテクノロジー搭載のプリアンプ8基装備
  • 独立レベル・コントロール装備の¼インチ・ヘッドフォン端子2系統
  • CPUに負荷をかけずに内部信号をルーティングできるDSPミキサー搭載
  • スタンドアローンで8チャンネルのマイクプリ/8チャンネルのA/D-D/Aコンバーターとして動作可能
  • ジッター低減システム Jet PLLテクノロジー搭載
  • ワードクロックI/O
市場予想価格79,800円という価格を上回る数多くの魅力的な特徴を備えており、アナログまたはデジタル・コンソールでミックスしたい人にとって良い解決策となるだろう。これだけの入出力があれば、問題なくトラックを扱うのに充分だ。

箱の中には?

パッケージには12V 3.5Aの電源アダプター、FireWireケーブル、ブレークアウト・ケーブル(MIDI、ワードクロック、S/PDIF同軸)が同梱されている。シックな黒の本体は1Uの19インチ・ラックマウント・サイズ。手短に言うと見た瞬間に良い印象を与える外観、そして安心感を与えてくれる重量だ。

フロントパネル

profire2626 front
フロントパネルにはOctaneプリアンプをコントロールする8つのつまみがある。最初の2つはギター、ベース、キーボード等をDIのようにダイレクトに接続するのに適した1/4インチTSインストゥルメント端子。Mic/Instスイッチによって楽器入力かマイク入力かを切り替えられる。それぞれのゲインつまみには信号入力を示すグリーンのLED、そしてクリップを示す赤のLEDがある。各つまみを引っ張ることで-20dB減衰させるというのは良いアイディアであり、巧く組込まれている。しかし、このプッシュ/プルのメカニズムにはあまり抵抗というか手応えがないことに少し驚かされる。何年か後にこのメカニズムがまだ機能するだろうか?と疑問に思う人もいるかもしれない。ファンタム電源は1〜4と5〜8の2つにグループ化されており、2つの小さなスイッチでグループごとにON/OFFするようになっている。このようにリンクされてしまっているのは残念ではあるが、かなり省スペースに貢献している。その隣はそれぞれ独立したレベル・コントロールを備えたヘッドフォン端子が2つ、そしてユーザーがアサイン可能なマスター・ボリューム。 電源ボタンもやはりフロントパネルにあり、小さなブルーのライト(M-Audio製品ではお馴染みだ)はデバイスがコンピューターに認識されると点滅を止める。

リアパネル

profire2626 rear
スペースがあまりないためだと思うが、電源は外部ACアダプターによって供給される。コンピューターとハードディスク、または他のIEEE1394デバイスに接続するための6ピンのFireWireポートが2つ。 このインターフェースで独特なのはS/PDIF同軸2×2、ワードクロック入出力、そしてMIDI入出力を束ねたブレークアウト・ケーブル。更に2つのADAT I/O、8つの¼インチTRSアナログ・ライン出力、そしてXLR/TRSコンボ端子を8系統を備えている。

インストール

Mixer
筆者自身M-Audio製品の魅力に抗えずFireWire Soloユーザーなので、Pro Toolsをノートパソコンで使えるようにしているし、M-Audio製品のインストールには馴染みがあった。筆者のAsus P5BEマザーボードの低品質な内蔵FireWireポートでは突然接続が途切れるトラブルが度々あり、Adaptecの古き良きFireWire-USB2カードでは全てが正常になりFireWire SoloとProfire 2626のどちらもきちんと動作するようになった。教訓:FireWireカード選びには気をつけよう! 筆者の現在のスタジオでの環境はIntel Dual Core 2GHzに2GBのRAM、OSはWindows XP SP2。Pro Tools M-Poweredをインストールするためには既存のPro Tools TDM 6.9 cs3をアンインストールしなければならなかったため、このテストはFujitsu-Siemens P IV 2.8GHzのノートパソコンに頑張ってもらうことにした。メモリは1GB、100GBの内蔵ハードディスク、Windows XP SP3という構成だ。
Routing
Windows XPドライバーのインストールはデバイスに接続する前に済ませておかなければならない。リブート後、スクリーンの右下にM-Audio Profire 2626をコントロールする小さなアイコンが現れる。そうなってから接続しよう。 もうひとつ気をつける点がある。あらかじめ最新のドライバーをダウンロードしておこう。パッケージに含まれていたインストールCDでは、オペレーティング・システムと互換性がない旨アラートが出てしまった。あまり良いウェルカム・メッセージとは言えないが、M-Audioのユーザーフレンドリーで解り易いウェブサイトから最新ドライバーをダウンロードした後は全て問題なし。 全てのルーティングはこのコントロールパネルから設定できる。2つのヘッドフォン出力、内部ミックス・トラックの他の出力へのルーティング、ユーザーが設定可能なマスター、そしてデジタル入出力等。それぞれのヘッドフォンのミックスを変えられる点はとても便利だ。 これらは全て配慮が行き届いた出来なのだが、唯一の例外はスタートアップ時に毎回現れるディスプレイのバグ。どこかコントローラーをクリックしさえすれば消えるのだが。アップデートで修正されることだろう。

サウンド

テスト内容は下記の通り。 ドラムを4本のマイク(トップに2本、スネアに1本、キックに1本)を使い以下の3パターンで録音する。
  • M-Audio ProFire 2626のコンバーターおよびプリアンプ
  • Amekのプリアンプ(2 CIB、1 DMCL)とM-Audioのコンバーター
  • Amekのプリアンプ、Digidesign 192 I/OのコンバーターをPro Tools TDMから
使用するマイクはトップ用にNeumann U87を2本、スネアにはShure Beta57、バスドラにShure Beta52。 レコーディングは24-bit 44.1kHzで、クリッピングしないぎりぎりまでレベルを上げており、A-BテストのためにPro Tools TDM 6.9 cs3でノーマライズしている。これらのサンプルを聴くには、ダウンロードしてお使いのシーケンサーにインポートしてみて欲しい。クリッピング防止のため最初はレベルを一様に下げておくのをお忘れなく。比較は同じ音量で。 以下がテスト結果。
Epanoui
筆者はProFire 2626のプリアンプとコンバーター両方の品質に感銘を受けた。しかしAmekと192 I/Oの組み合わせの方がわずかながらよりクリアーだった。非常に微妙だがロードしてミックスすれば判ることと思う。バスドラに関しては、低域のスペクトラムがより多く現れる。(Genelec 1030モニターでは顕著だが、NS10モニターでは当然ながらそれほどでもない) Octaneテクノロジーを使用したプリアンプはとてもダイナミックかつクリーンで、サウンドに色付けをしない。このインターフェースの価格を考えると、この品質のプリアンプとコンバーターのコストパフォーマンスは非常に高い! 友人のアコースティック・ギターとボーカルのプロジェクトを録音する機会があったので、ProFire 2626を使用してみた。192 I/Oよりヘッドルームはタイトなのだが(価格の差を裏付けるのはこの辺か)それでもProFire 2626のプリアンプとコンバーターのレスポンスは良かった。 そこで今度はAmek DMCLのS/PDIFとADATのRME ADI8DSコンバーターを介してProFire 2626の18チャンネルの同時入力をテストしてみたところ、全てバッチリな結果だ。BNCワードクロックで接続された機器は全くズレない。18チャンネル出力もテストするために、埃を被ったDDA(Series 16)を引っ張りだした。全部接続すると…こちらも全て完璧!

結論

M-Audioはとても意欲的な価格でこのProFire 2626を作り上げた。インストールの件と些細なコントロールパネルのディスプレイのバグを除けば、内部ルーティング、高品質のプリアンプとコンバーター、多数の入出力(価格からするとほとんど驚き)のどれもが、多数のトラックを録音したい人やシーケンサーからコンソールに出力したい(そして外部エフェクト、とりわけアナログ機を使いたい)人にとってこのインターフェースをマストバイ・アイテムにしている。おまけにスタンドアローンのA/D-D/Aコンバーターとしても動作するのだ! 従って7万円台という実売価格のこの製品は、ベスト・プライス賞にふさわしい。
  • 入出力の数
  • プリアンプとコンバーターの品質
  • 内部ルーティング
  • 2基あるヘッドフォン出力
  • ワードクロック対応
  • Pro Tools M-Powered対応
  • つまみのプッシュ/プルの質
  • ファンタム電源が1〜4、5〜8で共有
  • やや骨の折れるインストール
  • M-Audioコントロールパネルのマイナーバグ
このテストにより、M-Audio ProFire 2626は AudioFanzineが品質/価格の優れた製品に贈る ベスト・プライス賞に選ばれました。

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