BIAS Peak Pro XT 6
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BIAS Peak Pro XT 6

Peak Pro XT 6, デジタルオーディオエディタ from BIAS.

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BIAS Peak Pro XT 6 新機能レビュー

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PC用には数多くのオーディオ編集ソフトがあるにもかかわらず、Macの世界では機能的にベーシックなものから非常に洗練されたものまで見ても主にDSP-Quattro、soundBlade、Audacity、WaveBurner、そしてPeakくらいのもので、徹底的にリストアップしているわけではないがやはり少ない。こうした中、BIASによるPeakのアップデートが待ち望まれていた。 詳しく見て行こう。

sleepless 2007/12/13

Peak Pro XT 6をレポート

PC用には数多くのオーディオ編集ソフトがあるにもかかわらず、Macの世界では機能的にベーシックなものから非常に洗練されたものまで見ても主にDSP-Quattro、soundBlade、Audacity、WaveBurner、そしてPeakくらいのもので、徹底的にリストアップしているわけではないがやはり少ない。こうした中、BIASによるPeakのアップデートが待ち望まれていた。 詳しく見て行こう。

オーバービュー

01-peak_pro_6_1_350.jpg
LE、Pro、Pro XT 6という3種類のバージョンのうち、今回テストしたのはPro XT 6。Pro XT 6はPeak Pro 6にSoundSoap 2とSoundSoap Pro、Master Perfection Suite(Peak Pro 6の59,850円とPro XT 6の115,500円という価格差は59,850円で単体販売もされているこのMaster Perfection Suiteによる)バージョン1.2、そしてPeak Production Packを1パッケージにバンドルしたもの。3種類のバージョンの違いはこちらで比較できる。 ソフトウェアのアクティベーションにはインターネット接続が必要だ。一度BIAS Authorization Managerにシルアルナンバーを打ち込めばすぐに認証される。2台のコンピューターを登録することができ、USBポートをふさぐBIASキーももう必要ない。起動してみると、GUIの変更に驚かされる。バージョン5のグレイ主体のルックスはダークグレイとブラック系(変更可能)になり、ボタンはカーソルのロールオーバー時にブルーのバックライトのような効果になっている。ウィンドウはON/OFF可能なスナップ機能がある (プラグイン・ウィンドウはスナップしないようだ)。

RAM&スクラッチ

Différences
Peak 6.0.3はMac OS 10.4.3 to 10.5.xと互換性があり、インテルMacと同様に500MHzのG4でも動作する。しかしパフォーマンスは明らかに異なるが。Peakの全ての機能を利用するにはCore Audio互換のサウンドカードとMIDIインターフェースの使用をお勧めする。このソフトウェアにはレッドブック規格のCDマスタリング機能からサウンド・デザイン、ビデオ編集、バーチャル・インストゥルメントの使用等何もかも揃っている。ここで全ては網羅できないので新機能に中心に見て行こう。
Cache en RAM
ファイルはアイコンが並ぶ最上部のツールバーと最下部のトランスポートバーとの間に表示され、トランスポートバーには再生/停止/早送り等のボタン、タイム・ディスプレイ、ボリューム・スライダー、そしていくつかのモードでキャリブレーションでき、処理中にはプログレスバーにもなるカスタム可能なメーターを備えている。ここでの新機能は『Pre』『Post』ボタン。ボリューム・スライダーによるマスターゲインの変更をメーターで確認できる。複数ファイルのオープン時は「ウィンドウを重ねて表示」と「ウィンドウを並べて表示」が選択可能になっている。 BIASがついにRAMキャッシュ機能を追加したことはRAMをたくさん積んでいるユーザーには福音だ。これにより非常に素早い編集が可能になる。即座に取り消し/再実行できるのでいろいろな試行錯誤が可能になる。RAMは2GB以上は必要で、『オプション』メニューから『RAMにキャッシュ』を選びアクティブにする。保存する度にキャッシュはクリアされ、必要な要素はディスクに書き込まれる。このRAMキャッシュ機能は現在のところ16ビットのファイルでのみ動作するのだが、24ビットや32ビットのファイルにも対応して欲しいものだ。 スクラッチ・ディスク(作業用のファイルが一時的に書き込まれる)オプションはこのバージョンにもあり、『環境設定』から指定する。テンポラリー・ファイルがあちこちに散見されるのを防ぐためにフォルダーを指定することもできる。スクラッチ・ディスクには複数のハードディスクを指定できるが、ネットワーク・ディスクを選択できる点も安定性と容量の点では有り難い。








編集機能

Menu DSP
DSP機能は『DSP』メニューにタイプ別に分類されている (DSP環境設定で「Use Subcategories in DSP Menu」をチェックする)。Peakではツールバーとコンテクストメニューの2つのアプローチによりほとんどメニューを使わなくても作業できるが、それでもこれは便利だ。 Peakにはループを作るための様々なツールが用意されている。Loop Surferおよび水平/垂直のズームが可能な効果的なLoop Tunerにより、ループそのものをクリックしなくても作業できる。もしマーカーやリージョン、ループポイントにスナップするオプションがあれば尚良かったかもしれない。 Perpetual Looperも新たな強力ツールとして加わった。BIASの新技術PHAT (Partial Harmonic Audio Technology)を使用し、テンポよりも周波数帯域を優先してモノラルのオーディオを簡単にループさせるものだ。分析用(周波数範囲を決定する)および合成用(ループの両端のボリューム、音色、音程の差を緩和する)の2タイプのセッティングがあるのだが、結果には幅がある。モジュレーションがなく比較的素直な音であればかけた効果を聴き取れないほど自然だ。そのかわりもしコーラスやフェーザー、または倍音が過剰に含まれた変動の大きいソースの場合、オリジナルとはかけ離れた結果になる場合がある。
Loop Tuner
他に追加されたのはVoiceOver Ducking (VOD)。例えるならサイレント・フィルムにサウンドを加えるような場合の機能だ。VODではコメンタリーや他のボイスオーバーをコピー&ペーストの要領で貼り付けることができ、更にプリ/ポストロール、アタック、ディケイ、ベースとなるファイルの音量を下げる割合、ダッキングもコントロールできる。シンプルかつ効果的で、ポッドキャスト作成用ツールとしても理想的だ。しかし繊細な調整が求められる映画等のシチュエーションではまだベテラン・ミキサーの仕事を奪うほどではない。






編集機能 パート2

Perpetual Looper
他にも複数のChange Pitch (Variable) が追加された。もしVarispeedやターンテーブル・エフェクトが好きなら、エンベロープでコントロール可能なこのツールが役に立つ。トランジェントの有無の設定やプリセットの保存と読み込みができる。基本的にはPitch'n Time Proの代わりにはならない手軽なツールだが、品質面ではひけをとらない。 サウンドデザインに役立つ機能としては、他のファイルのスペクトラルを適用できるConvolveがある。Peak 6ではプロセスにエンベロープが加えられ、かけたい場所にだけ畳み込みを行うことが可能だ!
Change Pitch
畳み込みに関しては他にも、ImpulseVerbで畳み込みリバーブがかけられるようになった。クリップボードの内容をインパルスとして使用できる。プレビュー機能はやや不安定なので注意が必要だが、それでもサウンドデザイナーにとって自由に使える新たなツールであり、開かれた扉だ。更にポイント追加。 そしてディザリングの新技術 DCAT (Dither Cloning Audio Technology)。6種のアルゴリズム (Trancute、Triangle、Rectangle、POW-r 1〜3) に更に12ものモードを追加している。あまりにも選択肢の幅があり過ぎて何を選んでよいのかわからなくなるほどだ。プレビュー機能があるが各アルゴリズムを適用した複数ファイルで聴き比べた方が良いだろう。アルゴリズムそのものの『音』を聴くためには静かなパッセージのブーストは切っておこう。どのディザリングが最適かはソース等場合によるので結果を聴き比べるしかない。
Video
プラグイン・エンベロープについても書いておこう。オートメーションのように時間変化するエフェクトを適用でき、そしてついにリアルタイムになった。Vboxに関してはバージョンが3になっている。プラグイン・ルーティング・マトリックスにより優れたサードパーティーのエフェクトも含めて豪華なマルチエフェクトを構築できる。










プレイリスト

Dithering
編集機能やサウンドデザイン・ツールに加えて、Peakはビデオ編集やプレイリスト作成、そしてCDマスタリング機能も備えており、ほとんど何でも可能だと言える。ノンディストラクティブ編集、クロスフェード、プラグインのインサート、メタデータの編集、等々。プレイリストを作成する際は、ワークフローに合わせ『Album/Song』と『Classical/Take』という2つのモードから選択することでクロスフェードのタイプが決まる (いつでも変更可能)。前者はマスターCDの作成等、曲と曲が重なるかギャップがある場合に使用する。後者は例えば複数テイクを集めて1つのファイルにする場合に用いる。クロスフェードを『Centered』にすると中間点でタイムラインに固定され、カーソルを移動させると各ファイルの終端と先端が縮まるように動く。 ボリューム・エンベロープ機能のおかげでカーブにポイントを追加することにより細かなフェード・コントロールも可能だ。マスター時のみに有効な使い方だが曲がすでにミックスされており、ゲインだけをリストビュー内で調整したい場合もあるだろう。Takeモードでは、例えば繊細なボイスオーバーの作成やサウンドデザインで2つのファイルをダイナミックにミックスする際等にエンベロープが重宝する。 クロスフェードに関しては、A、B、C、Dの4つのボタンで作業中の異なるバージョンのスナップショットを保存して聴き比べることができるので便利だ。CD-TEXT機能はオーディオCD全体でも曲ごとでも、ASCIIキャラクター管理、DDPのエクスポート等、全てが揃っている。主要な形式のひとつになりつつあるDDP2.0 (Disc Description Protocol) については、PeakはPro XT 6に付属するエクステンションによって完全に対応している (現在Peak Pro版にこのエクステンションがボーナスとして付属している)。また、新しくiTunesに直接エクスポートできるようになったことはポッドキャスターに朗報だ。そしてPeakは従来からのAIFFに加え、Wave、Broadcast WAVE、SD II、MP2、MP3、MP4 (AAC)、FLAC、Sonic AIFF、JAM Image、QuickTime、Raw、System 7、Sonic AIFF、AUといった数多くのファイルフォーマットに対応している。
Playlist
Fades playlist














結論

ddp 2
BIASはまず全てを備えたエディタ、そして価格を納得させる完全なアプリケーションスイートを出してきた。AppleのLogic Studioのように高価でなくたくさんの機能を提供するスイートが当たり前になってきた感があるのは確かだが、標準にはほど遠いということも忘れてはならない。ループやエフェクトの品質、完璧に役割を果たす豊富なプラグイン、イコライザー、マルチバンド・コンプレッサーSqweez-5、Reveal等全てがよく練られている。全てを語るスペースはないが、残りは是非ご自身で試してみて欲しい。その価値がある。
Plein de fenêtres
Peakはその安定性ゆえ安心して作業できることも魅力だ。実質的にバグはない。しかしながらプレビュー機能はデリケートであり、注意深く扱う必要がある(例えば操作を急ぎ過ぎない等)点は覚えておこう。実際、筆者が直面した問題は、アクセントや特殊文字を含むAIFFファイル(Peak 5では問題なかった)をバッチ処理でWAVEファイルに書き出す際のたった一回だけだった。 もうひとつ問題になるかもしれないのは、Peakで作成したのではないファイルを初めて開く際、たとえ編集しなくてもPeakが更新日時を変更する点だ。これに関してはBIASは将来のアップデートで修正するとのことだが、Time MachineやSuper Duperのようなバックアップ・システムで問題があるかもしれない。 手短にまとめるとPeakはMacで様々なフォーマットのオーディオファイルを扱う人やプレイリストを作りたい人には必要不可欠なツールだ。もしPro XTバージョンでは費用がかかり過ぎるという場合は、Master Perfection SuiteとSoundSoap Proは付属しないがエディタは全てを備えているProバージョンがある。
  • 全てを備えたオーディオ・エディタ
  • 数多くのDSP機能
  • サウンド・デザインに理想的
  • 数多くのオーディオ形式に対応
  • RAMキャッシュ
  • ほとんどの圧縮形式をネイティブで編集
  • エンベロープ(ボリューム、プラグイン、その他)
  • プレイリスト・マネージメント
  • SMIDIハードウェア・サンプラーへのインポートおよびエクスポート
  • サンプルレート変換の品質
  • ディザリング品質
  • DDP2.0
  • Vbox 3
  • VSTおよびAUのサポート
  • ビデオ
  • バーチャル・インストゥルメントのサポート
  • 畳み込みリバーブ内蔵
  • 解り易いPDFマニュアル
  • ほとんどバグがない
  • Master Perfection SuiteやSoundSoap Proを包括したアプリケーションスイート Pro XT
  • USBドングル不要
  • 開いたとたんにファイル変更日時が変わる
  • PowerPC版Macでのサンプルレート変換が非常に遅い
  • ピッチシフトおよびタイム・ストレッチのアルゴリズム(進歩したにもかかわらず…)
  • RAMキャッシュが16ビットのファイルにしか使えない
  • デリケートなプレビュー機能
  • 特定の文字を含んだファイルのバッチ変換に問題がある